そういや、先日に引き続き

 今日も田園都市線が止まっていた。今度は伊勢崎線の濃霧か…。なんでも、信号が確認できないくらいだったらしいし。
 そういやいつだったか、長野だかどっかに家族旅行に行った時、とある湖に行ってやはり濃霧を体験したことがあった。やもするとかざした手すら見えなくなるくらいの密度で、湖の岸に立っていると、そのまま吸い込まれてしまうような、何ともミステリアスな情景だった。
 しかし、ほんの30分も経たないうちに霧は晴れてしまい、湖は元のように向こう岸が見えるようになってしまった。殆どの人は景色を見たいと思っていたと思うので、霧が晴れたのを喜んだと思う。しかし俺はその反対で、景色より、魔力とも言えるあの感覚をもっと感じていたかった。