そういや、「ソリスト育成」とか…

 あとで当人にも伝えるつもりだが、とりあえず思考メモ代わりに少し書いてみる。
 ジャズビッグバンドのソリストは「育成される」ものではない、と自分は断言できる。メンバーが練習した結果、どのセクションにもソリストがいるというのが道筋であって、そのモチベーション維持のために「どのセクションにもソリストを」というのを方針として打ち出すなら害はない。だが、それはあくまで希望なのであって、目標としてはいけない。「バンドのために」なんてやることは、自分のためには決してならない。
 ソロは、内面の欲求によってなされるべきだ。今までいくつかの学バンのソロを見てきたことがあるが、Jazzに造詣のない人のソロは「何で彼はこれをやってるんだろう」というものばかりだった。ということは、ソロをやるには、Jazzに対して少しばかりの造詣が必要ということになる。具体的には、Jazzの演奏を聴いて、それに触発されて楽器に触れる、というルーチンができるかどうかが鍵になる(物理的に無理だ、とかの野暮な突っ込みは勘弁してくれ)。
 バンド内でもJazzを聞く人は以前より増えてきてるとは思うが、触発されるかどうかでfalseを出力してるならば(「ああ、○○っていいね」で終了してること)、まだその人はCDを聞くことと自分が演奏することが有機的に結びついてないということだ。ということは、だ。ソリスト育成のために投資すべきは、ソリスト候補を選出して練習環境を設けることではなく、そのif節の条件でtrueを出力させることにある。それが成功すれば、彼は、瞬く間にソロに意欲を燃やすだろう。そう、問題なのはソロの技術ではなく、心構えなのだ。
 で、肝心の「if節の条件でtrueを出力させる」は…、俺はそこまで頭のいい人物ではないので、そう差し向けるような話術や才能はあいにく持ち合わせていない。もしかしたら、もう少しテンプレート的な手段が見つかるかもしれない。