「C++クラスと継承完全制覇」読了

C++クラスと継承完全制覇
矢沢 久雄
技術評論社 (2002/09)
売り上げランキング: 20,551
おすすめ度の平均: 4.5
4 とにかくわかりやすい
5 CからC++へ移行したい方に
5 お薦めです
 うーーーん。確かに凄く読みやすいことは確かなんだけど…。ネットで情報を漁る前にこれを読んでたら、結構絶賛してたかも。特に8章くらいまでは定義や役割の説明に終始してる感があって、それまでネットで得た情報とあまり変わりがなかったなので、サラサラ読み飛ばした。9章以降(あとは10章しかないけど)は多少読み応えがあるけど、operatorの説明とかちょっと中途半端な気がする。
 多分この本は、今までCやってて、なんとなく(「カッコいい」も含めて)C++に手を出してみたものの、オブジェクトのことが理解できない、って人が読むのにはちょうどいいかも。でも、多少オブジェクト指向言語に触れてしまった人間としては、むしろJavaなんかとの相違点はどこかを重点的に書いてくれたほうが、分かりやすい気がする(それはこの本でやることではないが)。
 いつも思うんだけど、人間は、1からすべてを覚えるより、何かとの差分・相違点でものを覚える方が、絶対に理解が早いと思う。だから、たいていの入門本は「この言語が初めてです」って人ばかりを対象にしてるけど、そうじゃなくて、何らかの言語をやったことのある人を対象とした本を書くと、forやwhileみたいな基礎的な部分に紙面を費やすより、もちっと複雑なことまでカバーできるようになるから、それなりの売り上げが見込めると思うのだが。例えば、Cでポインタが分かるか分からないかくらいのレベルの人を対象にしたJavaの本とか。もしくは、Javaで多少クラスの書ける人間を対象にした、C++の本とか。単純に、自分がそういう本を知らないだけかもしれないけど。
 そうそう、これは学校の図書館で借りたんだけど、俺の前にこれを借りてたやつ、出て来い。あちこちに線が引っ張ってあってマジうぜー。しかも、場所によっては赤ボールペンだし。さらに言うなら、筆跡がところどころ違うので、全部で3人くらいか、こんなことしたのは。しかも笑えることに、6章の途中からは線がどこにも引っ張ってない。そこまで読んでないんだな、まったく。そこから少しずつ面白くなってくってのに。