「ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人」読了

 個々の状況での「伸びる、伸びない」は確かに分かるのだが、この本はそれの列挙でお終い。現場の技術者に通勤中に気軽に読めるようにという配慮だろうか、たった200ページほどしかない。そのため、「理想の人物像」たった一つしか読者に提示できていないので、一読者としては「なーんだ、結局完璧な人間が伸びるってことでしょ」で終了、という気分。
 意欲がなくて伸びないのは当たり前なので、本来なら、各人の持つ向き・不向きの性格から、こういう傾向の人間は業界の中でどういうポジションを得やすいのかとか、そうしたものを提示すべきではなかったのだろうか。それができず、またコンサルでありながら実例やデータが殆ど挙がってない以上は、アマゾンの書評にもあるが、「お前ら、ちゃんとしろよ!」という自己啓発以外の何者でもないし、ただのぼやきにしか感じない。