「迷宮百年の睡魔」読了

迷宮百年の睡魔
迷宮百年の睡魔
posted with amazlet on 07.02.18
森 博嗣
新潮社
売り上げランキング: 261982
おすすめ度の平均: 4.5
4 森式RPG
4 近未来ミステリ
5 世界の謎を解き明かせ
 さっき読んだ2冊がアレなので、口直しという意味も半分込めて。アホみたいに読んでると思われそうだけど、少なくとも最近の小説に関して、大して時間はかからない。一文を読むごとに摩擦のかかる文章が殆んどないから。裏を返すと、そうやって常に読者に対して摩擦を起こさせるような作品が、50年、100年と受け継がれるものだと思う。現在「名著」と言われているものの多くが、発売当初は奇書の類として扱われていた、という話も聞いたことあるし。
 前作「女王の百年密室」に比べて、かなりスケールアップしたなぁ。局所的には収束した感もあるけど。「何が人間たらしめるのか」という問が明確になったように思えて、かなり読みごたえがあった。肉付きの良さという意味では、彼の作品群の中ではこのシリーズがいい。