「三文オペラ」読了
おすすめ度の平均:
ワイマール時代終焉の悪漢戯曲個人的には、物語よりも、そのコンセプトノートというべき覚書の方が示唆に富んでいて読み応えがあった。例えば「俳優のためのヒント」という項目で
題材を伝達する際には、観客に感情同化の道を歩ませるように仕組んではならない。(中略)俳優は、「役になりきってしまう」より、自分の表現する人物について物語るようにすべきである。
なんかは特に印象に残った。他にも、歌い方についてアドバイスがあったりするけど、それはこの劇の異化効果による演出の一部なので、特に取り上げない。
そうそう、「Mack The Knife」はよく「モリタート」という名前で取り上げられるけど、この本ではそれは「殺人物語大道歌」のルビになっている。どうやら、この物語の主要人物であるメッキースのような大悪党について歌っているものを「モリタート」と呼ぶみたい。興味があるなら、歌詞は一度読んで見たほうがいいと思う。あの軽快なメロディでこんなこと歌ってるのかよ!という気分になること間違いなし。